会社の事情で社員に退職勧告をしなければならなくなりました。面談する際、どのような点に気を付けたらよいでしょうか。

人事のお仕事をされている読者さんから、このような相談を受けました。

社員に退職を促すことは、人事担当者にとっても辛い役目ですよね。

どうしても、会社を経営していると、事業の立て直しや方向転換、あるいは従業員側の業務問題により、一度、採用した従業員に対し、会社側から退職を促す「退職勧奨・退職勧告」をしなければならない場面もでてきます。

法的には、成績がよくない従業員、協調性がない従業員、業務の指示に従わない従業員など、問題がある従業員に対し、会社が退職勧奨や退職勧告を行うこと自体は、問題ありません。

ただし、退職勧奨・退職勧告は、あくまで従業員が同意の上で退職してもらう方法。
退職を無理強いし、従業員が納得しないまま退職に至っては、退職後に訴訟問題になりかねません。

そうならないためにも、勧告する従業員への十分な対話と、心理的な配慮が大切です。
伝える側の配慮や伝え方によって、相手の心理的ダメージを極力、軽減することができます。

一般的には、社内の人事担当者の方が、退職勧告の後に「キャリア面談」などを実施し、ケアをされている企業が多いと思います。

けれども、できれば、このような場面では、相手を傷つけない、否定しないという「カウンセリング・スキル」や「傾聴スキル」を身につけている、キャリアコンサルタント、またはキャリアコンサルタントの資格をもつ人事担当者の方が、面談を行うのが適任です。

能力を発揮できていない従業員は、自らも「この会社、この仕事は自分には合っていないのでは…」と感じている場合が多いです。

その場合は、適性などを客観的なアセスメントツールにより可視化したり、従業員の満足度、幸福度と業務を照らし合わせたりすることで、この職場は自分に適してない、と自ら決断することができます。

円満な退職合意を得るためにも、社内にキャリアコンサルタントの有資格者がいない場合には、退職勧奨の面談をキャリアコンサルタントという専門家にアウトソーシングしてみてはいかがでしょう。

社内の人間とは異なり、直接、利害関係がないキャリアコンサルタントであれば、社員側の言い分を丸ごと受け止め、共感を示すことができます。自分の言い分を否定せず、十分に聴いてもらえることで、人は初めてわかってもらえたという安心感を得られます。

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